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【論理的】伝わる書き方・話し方【思考】

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話すのが苦手な人

話すのが苦手な人「人に何か伝えようとするとき どう伝えれば良いかわからない。一生懸命 伝えようとするけど理解してもらえない。」

今回はこのような悩みに答えます。

本記事の内容

  • なぜ話が伝わらないのか
  • わかりやすく話すための考え方
  • 論理的に話せる「三角ロジック」

話の伝わりやすさで重要な一つの要素は「論理的であるか」どうかです

「論理的である」とは きちんと筋道が立っていること を言い、話題が一貫していて 話の流れが わかりやすいかどうか で話の伝わりやすさは決まっていきます。

本記事では、「論理的な発言の方法」について解説していきます。

※今回想定している場面は「意見」を言う場面や「報告・相談」をする場面です。「雑談」などの場合では使われない方法になりますのでご注意ください。

なぜ話が伝わらないのか

なぜ話が伝わらないのか

他人に意見を伝えるときや上司に話し合いの結果を報告するとき、以下のような話し方をしてはいないでしょうか?

  • 思いついた順で話している
  • 話が長い・情報が多い
  • 結論がすぐにわからない
  • 話の目的がわからない

これらの話し方は伝わりづらい話し方の例です。なぜ伝わらないのか・なぜこのような話し方になってしまうのか大きく2つの理由があります。

話題が一貫していない

思いついた順に話をしていると論点や話題がどんどん変わっていくので、聞き手は話し手が何を伝えたくて話を始めたのか理解できず混乱してしまいます。

これが起きるのは、過去の出来事を思い出すとき時系列に沿って思い出したほうが思い出しやすく、思い出したことをそのまま話すことが楽だからです。

聞き手は話し手が経験した順番を知ったうえで話を聞くわけではないので話は伝わりづらくなります。

話の流れが分かりづらい

話が長く情報が多いと、聞き手は内容を忘れてしまい全体の流れを把握できません。さらに いつまでも話が進まないので聞き手を退屈させてしまいます。

まず始めに話の行き先である 「結論・目的」 を伝えておくことで 聞き手は 「理解・返事」 がしやすくなります。しかし、それができていないと自分がどのように考えて結論に至ったのかを先に説明することになり話が長くなってしまいます。

また報告や相談などの 「目的」 が明確でない場合、アドバイスが欲しかったのに返事に必要な情報が伝わっておらず再度 説明を求められる可能性もあります。

わかりやすく話すための考え方

わかりやすく話すための考え方
わかりやすく話すための考え方は以下のとおりです。

  • 話の目的を明確にする
  • 話をする理由と結論から始める
  • 並べる項目は5つまで
  • 比較するときはそれぞれ同じように説明する

話の目的を明確にする

まずは 「話の目的」 を明確にしましょう。主に話の目的には以下の3つがあります。

・報告:すでに決まったことと経緯を他人に伝えることが目的。返事は必要としない。
・説得:自分の意見を他人に伝えて納得してもらうことが目的。返事が必要。
・相談:自分の意見を他人に伝えて相手から助言をもらうことが目的。返事が必要。

「話の目的」 がこのうちのどれなのかを把握したら、次に話の内容を簡単にまとめた 「話の主題」 を考えましょう。

そして 「(話の主題)について、(話の目的)がございます。」 といった一文を話の始めに伝えるだけで、あなたの話は効率的に伝わりやすくなります。

「会議の結果について、ご報告いたします。」
「共有スペースのご利用について、お願いがございます。」
「プロジェクトの進行具合と今後の計画について、ご相談がございます。」

話をする理由と結論から始める

話の目的を伝えたら、次は 「話をする理由」 と 結論 を伝えましょう。

「話をする理由」 には、経緯・現状の説明 と 必要性・問題点の説明 が当てはまります。これを言わないと聞き手はなぜ今のタイミングでその話をされるのか、話を聞いて何に活かせば良いのかが分からないままになってしまいます。もちろん、なるべく短く伝えることも重要です。

「プロジェクトの進行具合と今後の計画について、ご相談がございます。
(現状)現在テレワークの導入で社員間の意思の疎通が少なくなっており、(問題点)進行が遅れております。今後は (必要性)より効率的に業務を進めるために、チームコミュニケーションツールを用いるか、もしくは週に2回以上のビデオ通話をすることで(結論)情報交換する機会を増やすべきだと考えています。」

ここまで伝えることができたら、最低限 相手に伝えるべきことは伝わっていると思います。

並べる項目は5つまで

箇条書きで説明をするときなど情報をいくつか提示する場合は量を多くしすぎないことが重要です。

聞き手は話の流れを把握することで精一杯なので、覚えておくものがあった場合は短期的に少量のものでしか把握できません。

基準として情報の数は5つ程度にしておきましょう。

比較するときはそれぞれ同じように説明する

いくつかのものを比較する際には、同じ条件で同じ順番に説明しましょう。

例えば、A, B, C の仕事の案を3つの条件で比較して説明する場合、Aについて時間・人員・利益率 の順番で説明したとすると、続くB, C の説明も時間・人員・利益率 の順番で説明します。

そうすることで、話を聞きながらでもそれぞれの案の特徴が把握しやすくなり、表を用いて説明する場合でも見る流れをつかみやすいので伝わりやすくなります。

論理的に話せる「三角ロジック」

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物事を論理的に考え主張しやすくする方法があります。それは 「三角ロジック」 を意識する方法です。

「三角ロジック」とは以下の3つから構成される論理的思考のこといいます。

  • 主張:結論、言いたいこと
  • 事実:過去に起こった出来事、データ、論文などで証明された主張
  • 理由づけ:事実と主張を結ぶ理由、事実から何故そのように主張できるのか
  • ※また 「事実」 と 「理由づけ」 を合わせて 「根拠」 という。

この三角ロジックは日常の会話にも当てはめることができますが、大抵の場合3つのうちのどれかが欠けていて簡略化されています。

例えば、「この本、来週までに読んでレポートにして出して」 という上司からの言葉には主張しか含まれていません。この上司の考えを勝手に想像して三角ロジックに当てはめると

主張:
 本を読んでレポートにしてほしい
 本を読んで仕事に役立ててほしい

事実:
・仕事に役立つ情報が本に書いてあった
・この情報を知れば仕事が効率化できる

理由づけ:
部下にも読んでもらって全体的な仕事の効率化を目指したいので、(主張)本を読んで仕事に役立ててほしい

このようになりますが元の発言では情報量が少なすぎるので当然 伝わりません。

「根拠」の質で「話の信憑性」を持たせる

三角ロジックで物事を伝えるときに大事なのはきちんと3つとも伝えることができているか、あとは「根拠」が信頼できるものであるかどうかです。

話す前にこの信頼できる「根拠」を用意することで、話の伝わりやすさと 話を聞く価値を持たせることができます。

信頼できる「根拠」には、個人の意見や感想ではなく、本や論文など不特定多数の人に評価され残っているものを選びましょう。

例に、論文を「根拠」としている主張を上げます。

主張:
人脈を広げることは大事だ。なぜなら↓

事実:
・2004年アメリカのギャラップ社の調査では「職場に3人以上の友人がいるだけで人生の満足度が96%上昇する」ということがわかっている
・同調査で「給料への満足度は200%上昇する」ということもわかっている
・アメリカのブリガムヤング大学の心理学の研究では「タバコやアルコール・肥満よりも、友人の数と質のほうが生死を分ける最も強い因子である」と示されている
・同研究チームは「これまで孤独だった人が心の許せる友達を1人作っただけで、最大で寿命が15年も延びる」可能性があるとも述べている

理由づけ:
これら事実から統計的・科学的に、人脈を広げると満足のできる人生をより長く堪能できるので、(主張)人脈を広げることは大事だ。

このような主張の流れになると、信頼のできる事実が根拠として述べられているので信憑性のある主張ができます。

まとめ

相手に伝わりやすい話をするときでも文章を書くときでも重要なのは「論理的」に物事を伝えることです。

そのためには、
・話題を一貫して話の流れをわかりやすく話すこと
・話の目的・背景・結論を簡潔に伝えてから整理した情報を伝えること
・三角ロジックを意識して主張すること
などの工夫をしましょう。

今回は伝わりやすい書き方・話し方についてまとめさせて頂きました。

参考文献

別所栄吾 (2011). あなたの話は、なぜ伝わらないのか?  日本経済新聞出版社

あなたの話は、なぜ伝わらないのか?

ちょっとした一言で部下のやる気を失わせてしまった、いつも会議で「で、結論は?」と聞かれる――。コミュニケーション術のプロ講師が、あなたの話が面白いほど伝わるようになる方法を、事例を挙げながら紹介する。