自分を受け入れる方法【マインドセット】
「いろいろな自己啓発書には『自分を受け入れましょう』とか『自分を好きになりましょう』と書いてあるけれど、そもそもそれができないから悩んでいるのに…」
今回はそんな悩みを持っている方へ向けた内容となっています。
本記事の内容
- なぜ自分を受け入れられないのか
- 自分を受け入れるための考え方
- 成長マインドセットを身につける行動
まずこの悩みを解決するには、なぜ自分のことが受け入れられないのかという問題を明確にする必要があります。
その次にどのような思考を身につければ解決できるのか。その思考を身につけるにはどのように行動すれば良いのか説明していきます。
なぜ自分を受け入れられないのか
自分を受け入れられない理由にはどのようなものがあるでしょうか。
・頭が良くない
・運動神経が悪い
・外見が地味
・作業の効率が悪い
・信頼されていない
・人望がない
主にこのような能力が他人よりも低いという理由で自分が嫌いだと思うことが多いのではないでしょうか。
確かにヒトは行動も思考も一人一人で違いますし、上記のような能力に差があることは明らかです。しかし、自分を受け入れられない問題を解決するために重要なのはここではありません。
問題なのはこれらの能力が固定的なものだという考え方を持っているところにあります。
自分を受け入れるための考え方
スタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエッグ教授は著書にて、ヒトには自分の能力に対して2種類のマインドセット(考え方)があるということを示しています。
一つは、自分の能力は固定的で変わらないと信じている
「硬直マインドセット=fixed mindset」
もう一つは、自分の能力は努力次第で伸ばすことができると信じている
「成長(しなやか)マインドセット=growth mindset」です。
先ほどお伝えした、自分を受け入れられない理由は前者の硬直マインドセットにあります。
自分を受け入れるためには、硬直マインドセットで物事を考えていることを理解し、努力で改善しようとする成長マインドセットを身につけることが重要です。
これら2つのマインドセットがあるということを認識するだけでも、自分がどれほど硬直的な考え方をしているか理解できるようになります。
硬直マインドセットと成長マインドセットの違い
これらのマインドセットの違いを知るだけでも物事の見方が大きく変わってきます。例えば、硬直マインドセットの人は一度失敗してしまうと立ち直れないほど落ち込みます。
・テストで点数が悪かった
・試合のメンバーに選ばれなかった
・会社をクビになった
・人に拒絶された
こういった問題があれば冒頭にお伝えしたように、自分の能力が低いことを知っただけで、それが今後も変わらない・自分の人間的価値は低いのだと固定的に考えてしまうのです。
このような考え方を持っている人は努力を拒む傾向もあります。
何故かというと、それは能力が固定的なものであるから努力することは自分の能力が低いことを他人に見せる恥じるべき行為だと考えるからです。
一方で、成長マインドセットの人はどのように考えるのでしょうか。
「努力することで自分の知能や運動能力は向上し、その行動だけが自分を有能にしてくれる。努力はできないことができるようになるまで時間のかかるものだから恥じることはない。」と考えます。
このような成長マインドセットを持てば、自分にどんな酷い過去があっても受け入れることができます。
そしてそれはそのままあなたが努力すべき物事を示してくれます。
成長マインドセットを身につける行動
ここまで、自分を受け入れられない理由は硬直マインドセットにあることと持つべき考え方は成長マインドセットであることをお伝えしました。
では、その成長マインドセットを身につけるには何をすれば良いのでしょうか。
自分が優れていることを示し続けるのを止める
あなた もしくはあなたの周りに「自分は優れている」ということを必死に示している人はいませんか?
それは硬直マインドセットの表れで、自分の能力が低いと思われることを恐れていて、自分が優れているということを示し続けずにはいられないからです。
このような行動をとっても自分が勝てると思っている土俵に相手を引きずり込んで比較しているだけで、不健全な優越感を得るだけです。
示し続けることに時間を使いその能力を伸ばす努力を怠れば、後から努力して能力を伸ばしてきた他人に追い抜かれてしまいます。
どんなに不安でも自分が常に能力を伸ばせていることを自覚しながら努力を続けていれば、その不安はなくなります。その懸命な姿を見たら他人からの評価も変わるでしょう。
「今できないだけ。だから~しよう」と声に出す
できないことに出くわしたとき、もしくは年齢や経歴が同じなのに自分よりも成果を残している人を見たとき「どうして自分にはできないんだ」と自分を責めたくなります。
そんなときには「今できないだけ」と声に出し、まず自分は一生できない人間だということを否定しましょう。
そしてそのままだと ただ安心させているだけなので、「今できない」を解消するために何をするか「だから~しよう」と続けて努力することを宣言しましょう。
まとめ
具体的な方法までお伝えしましたが最後にもう一つ。
ヒトは誰でも生まれたてのときは無力です。そこから、立ち上がり、しゃべれるようになり、ものを扱えるようになってきたのです。能力を伸ばせない人なんていません。能力を伸ばすために努力することを恐れているだけです。
過去の失敗から自分が何を頑張るべきか分かるはずです。そしてその能力を伸ばす努力ができたら、他人に認められ、自分を受け入れることもできるでしょう。
今回は自分を受け入れる方法についてお伝えしました。この記事が自分を受け入れられずに悩んでいる人に届くことを願っています。
<参考文献>
[1] Carol, S.D. (2016). マインドセット「やればできる!」の研究 草思社