自己批判を止める方法【厳しくしても成長できません】
こんにちは、きつねろです。
- 目標を決めて自分に厳しくしているが、思うように成長できていない
- 失敗してしまったときにどうしても自分を責めすぎてしまう
- 自己批判を止めてもっといろんなことに挑戦したい
今回はこのような悩みに答えられるような内容になっています。
自分に厳しくしても成長できません
「自分にもっと厳しくしよう」と思ったことや言われたことは誰しも一度はあるのではないでしょうか。
僕もテストの点数が悪かったときには、次のテストではもっとしっかりしなきゃ!と思い、勉強時間や勉強方法をみっちりと計画して次に挑もうとしていました。しかし、その計画は破綻することがほとんどでした。
それもそのはず。実は、自分を責める人の方が取り組むべき物事を先延ばししてしまう傾向があるのです[1]。
「完璧にしないといけない」と考えている人はできなかった場合の「恐れ」をも無意識のうちに感じ取ってしまい、この「恐れ」という悪い感情を取り去ろうとするための行動を先に起こしてしまいます[2]。
そのため自分に厳しくするのは、成長したい人にとっては逆に遠回りになってしまう可能性があります。
自己批判の正体は自己防衛
「自己批判が良くないことはわかったけれど、どうしても無意識にしてしまう」という人がいると思いますが、それは当然のことです。
ヒトは大きな社会集団の中で生活しています。自分のことをへりくだって話すことは、集団内の他の人から拒絶されたり見捨てられたりしないための本能的・合理的な行動だからです。
さらに研究と論文を元に自己愛について書かれている書籍『セルフ・コンパッション』では、
自己批判は、「私は他者がそうする前に先手を打って自分自身を批判します。私は自分の欠点や不完全さを知っています。だから私がすでに知っていることを私に伝えて責める必要はありません。うまくいけば、あなたが私に対して『自分が思っているほど悪い人ではない』と判断して再確認を促す代わりに、私に対して同情を感じてくれるでしょう」 と言っているようである。[3]
と述べられています。
この表現を見ると、自己批判の正体は「自分でこれだけ傷つけているからこれ以上攻撃しないで」という自己防衛だとも言えます。
それでも、自分を守るために自分を攻撃するなんて繰り返していては心身ともに疲れ果ててしまいます。
そのような自己批判を止めるにはどうすればいいのでしょうか。
自己批判を止めるには「無条件に自分を受け入れること」
自己批判を止めるには、過去のできなかったことや失敗すべてを含めて、無条件に自分を受け入れ、何があっても自分を責めないようにしましょう。
そんなの自分が甘ったれてしまう!という心配もあるとは思いますが、大丈夫です。なぜなら自分が責めなくても他人が責めてくれるからです。
他人から批判される要因は、あなたではなく その人が見た限られた情報であったり、その人のその時の気分であったりします。
例えば、「面白くない」と言われてイラついている人が、自分より面白くないと思うのに高く評価されている人を一目見れば批判したくなります。道徳的におかしいとは言え このような人がいることは事実です。
そんな他人の思考は当然 把握することができません。もし あなたの悪い部分だけの限られた情報が広まってしまったら、あっという間に批判に囲まれます。
そのような中で、唯一把握できる自分の思考が自己批判に向いていたらどうなるでしょうか?
味方のいない心細い中、これまた把握できない他人の思考が「同情」に変わるのを願って待つしかなくなります。待っている間にも気分は落ち込み、立ち上がれないところまで落ちてしまっては手遅れです。
批判の目的は「反省」と「改善」
批判の目的は「反省」と「改善」であり「落ち込むこと」ではありません。よく「反省」を「落ち込むこと」と同じように考えている人がいますが違います。
反省とは「今回自分は失敗してしまった、だから次はこうしよう」と、改善へと繋げるために必要な自分の実力を受け入れる工程です。「自分は失敗してしまった。なんで自分にはできないんだ…。」と自分を批判して落ち込ませる工程は必要ではないのです。
まとめ
今回は「自己批判を止める方法」についてお伝えしました。
自分のことはすべて無条件に受け入れ、反省にのみつながる他人からの批判を受け入れ、落ち込むことなく改善していきましょう。自分の責任を持つのはここだけで十分です。
<参考文献>
[1] Shirley, S. W. (2015). To Stop procrastinating, start by understanding the emotions involved. The Wall Street Journal,
[2] Steel, P. (2012). ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか CCCメディアハウス出版
[3] Neff, K. (2014). セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる